top » 伊能測量応接室 » 測量日記を読み解く

能代で日食を観測

 能代では日食の観測が予定されていた。
 日食は何のために測ったのかといえば、経度の差を観測するためであった。伊能隊の出先と、江戸の天文方、関西の間重富の観測班が日食を同時観測して、食の始まり、食が一番激しいとき、食の終了時刻などを測り、それらの時刻差から経度の差を知ろうとした。
 ここで問題は、いまのように何処に持っていっても、正確な時刻を示す時計がないことだった。考えられるのはゼンマイ時計しかなかったが、当時それが日本には無かった。(外国ではクロノメータ=経線儀と称して、正確なゼンマイ時計が使われていた)
 対策として、考えられたのが推揺球儀

という正確な振り子時計である。
 これを測量先へ持参し、前日の太陽南中時を基準に振り子のカウント数で、食の開始、終了時刻を表現しようとした。これを江戸と関西でも同時におこなって較べよう、という気が遠くなるような話だった。
 その作業の現場風景が淡々と記されている。


 (詳細はpdfをクリック)

▲このページのトップへ